求人広告の代わりにInstagram広告を活用する方法があることをご存知でしょうか?
今の時代、Instagram広告で人材採用を行っている企業は少なくありません。
Instagramの利用者の多くは、就職や転職のメインターゲットである若者たち(10~30代)。
彼らに企業の魅力をアピールすることができれば、新卒採用だけでなく中途採用にもInstagramの活用は可能です。
今回は、Instagramを求人媒体として活用する際のメリットやデメリット、さらに効果的な運用のポイントをご紹介します。
Instagramアカウントを上手に作成・運用できれば、低コストで有益な採用活動が行えます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
求人広告のデメリット
一般的な求人広告を利用するデメリットとして挙げられるのは、
・ターゲット層にリーチしにくい
・掲載料に見合った成果が得られない
上記2点です。
ここでは、求人広告のデメリットについて、さらに詳しく解説します。
ターゲット層にリーチしにくい
求人広告のデメリット1つ目は、企業が求めるターゲット層にリーチしにくい点です。
不特定多数に向けた求人広告で、ピンポイントに絞り込んだ「求める人材になり得る層」にアプローチするのは不可能。
広く浅いアプローチで、どうにかターゲット層にも届いてくれるよう祈るしかないのが求人広告の大きなデメリットです。
掲載料に見合った成果が得られない
求人広告のデメリット2つ目は、掲載料に見合った成果が得られない点です。
見出しや大きな広告枠など、多くの人の目に留まる枠に広告を掲載する場合、それに見合った掲載料を支払わなければならないことは言うまでもありません。
しかし、高い掲載料を支払ったとしても、前述の通り求めるターゲット層に届きにくい特性があるために、成果があまり見込めないのが難点です。
だからと言って広告料のコストを抑えようとすると、目立たない場所にしか広告を掲載できず、注目度が下がってしまいます。
つまり、ある程度のコストをかけて目立つ掲載をする必要があるものの、良い結果はそれほど期待できないのがデメリットですね。
デメリットを解消できるInstagram広告×人材採用
ここまでで、求人広告の場合のデメリットについて解説しました。
これらのデメリットはInstagram広告では問題になりません。
なぜなら、Instagram広告ならターゲットを細かく設定することができ、リーチしやすい特徴があるからです。
また、広告の運用コストも自社で自由に設定でき、PDCAを回しやすいため、掲載料に見合った以上の成果を得られる可能性があるでしょう。
Instagram広告×人材採用3つのメリット
それでは、Instagram広告のメリットを、
・細かなターゲット選定が可能
・使い方次第でコスト削減が可能
・視覚的なアプローチで目を引きやすい
上記3つの切り口で解説します。
細かなターゲット選定が可能
1つ目のメリットは、細かなターゲット選定が可能なことです。
Instagramは、匿名性の低いFacebookを提供しているMetaが運営しています。
そのため、Facebookが持つ膨大なデータを活用し、細かなターゲティングをすることが可能。
「コアオーディエンス」として、年齢や性別はもちろん、具体的には下記項目でターゲティングができます。
・職種
・言語
・エリア(国や地域・都道府県・市区町村など、配信するもしくは配信しないエリアも選択可能)
・交際ステータス
・趣味や関心、行動
・Facebookページにいいねした人
・Facebookページにいいねした人の友達 など
メールアドレスや電話番号を知っている方にリーチする「カスタムオーディエンス」や、その方たちと同じ特徴を持つ「類似オーディエンス」も設定できます。
関心や行動も設定できるため、就職活動をしている方だけではなく、潜在的に就職・転職ニーズのある方にアプローチすることもできるでしょう。
使い方次第でコスト削減が可能
2つ目のメリットは、使い方次第でコスト削減が可能なことです。
Instagram広告では、自社で配信や管理を決められるセルフサーブ型(運用型)を採用しています。
そのため、自社の状況に合わせて配信期間や予算を決めるなど、柔軟な設定が可能。
予算は、1日の予算額や通算の予算額など、設定方法もさまざまで、1日約100円から広告を出すことができます。
「まずは試してみたい」「低予算で実施したい」と考えている企業も安心ですね。
もちろん、予算が低すぎると広告が表示されることはほどんどないため、月額2~3万円程度が目安になります。
Instagramの課金条件もさまざま。具体的には以下の4種類があります。
・CPM(表示課金)
CPMは、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生します。
平均コスト相場は、500~1,000円なので、1表示あたり0.5~10円程度です。
・CPV(動画再生課金)
CPVは、動画が再生されるごとに費用が発生します。
平均コスト相場は、1再生4~7円程度。
「再生」の定義は、動画が10秒以上再生された、最後まで再生されたなど、いくつかパターンがあります。
・CPC(クリック課金)
CPCは、広告がクリックされるごとに費用が発生します。
自社のWebサイトや応募フォームへの誘導で活用することが可能。
平均コスト相場は、1クリック40~100円程度です。
・CPI(インストール課金)
CPIは、アプリがインストールされるごとに費用が発生します。
平均コスト相場は、1インストール100~150円程度です。
採用で使うことはほぼありませんが、頭の片隅に入れておいてください。
上記の金額は、他のWeb広告と比べても安い料金設定です。
他のWeb広告の場合の平均費用相場は、下記のとおりです。
媒体 | 課金条件 | 平均コスト相場 |
リスティング広告 | CPC(クリック課金) | 1クリック 10~500円 |
ディスプレイ広告 | CPM(表示課金) | 1,000表示 数十~数百円 |
CPC(クリック課金) | 1クリック 50~100円 | |
リターゲティング広告 | CPC(クリック課金) | 1クリック 100円~ |
CPM(表示課金) | 1,000表示 100~500円 | |
CPC(クリック課金) | 1クリック 100円 | |
CPM(表示課金) | 1,000表示 400~650円 | |
CPV(動画再生課金) | 1再生 520円 | |
CPC(クリック課金) | 1クリック 24~200円 | |
TikTok | CPM(表示課金) | 1,000表示 100円~1,000円 |
CPV(動画再生課金) | 1再生 5~60円 | |
CPC(クリック課金) | 1クリック 30~100円 | |
LINE | CPM(表示課金) | 1,000表示 400~900円 |
CPC(クリック課金) | 1クリック 30~100円 |
ちなみに、大手求人広告へ掲載した場合の相場は、
・パート・アルバイト 1~10万円程度
・中途採用 15~50万円程度
・新卒採用 40~100万円程度
くらいが目安となります。
また、先ほども紹介をした通り、Instagramであれば細かなターゲティングができ、自社が求める人材にリーチできるので、効率もよいでしょう。
また、PDCAを高速で回せるのも魅力です。
少しずつ試しながら、より良い方法を探すことで、コストパフォーマンスを上げることができるでしょう。
視覚的なアプローチで目を引きやすい
3つ目のメリットは、視覚的なアプローチで目を引きやすいことです。
Instagramは、画像や動画がメインのSNSです。
そのため、テキストだけでは伝えきれない職場や社員の雰囲気まで伝えられるでしょう。
求人媒体や自社のホームページでは、採用条件や待遇、事業内容などがメインになり魅力が伝えきれません。
Instagram上でインタビューや社内イベントの様子をアピールすれば、求職者はイメージがしやすく「この会社で働きたい」と思ってもらえる可能性も。
また、雰囲気を伝えることは採用のミスマッチを防ぐことにつながります。
採用にかかる費用は、広告料だけではありません。
面接官の人件費や、実際に採用した場合は教育の費用、備品代などさまざまなコスト、時間がかかります。
採用後、すぐに辞められてしまったら大きな損失ですよね。
そのため、ミスマッチを避けたいと考えている企業は多く、採用後にも影響を与える大きな魅力です。
Instagram広告×人材採用のデメリット
Instagram広告を使用した人材採用には多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
具体的には、
・拡散力は見込めない
・デザインスキルが求められる
上記2点です。
それでは詳しく解説します。
拡散力は見込めない
Instagram広告の1つ目のデメリットは、拡散力は見込めないことです。
Instagram広告には、FacebookやTwitterと違い「シェア機能」がありません。
そのため、ユーザーによる二次拡散が期待できず、直接ターゲットに広告をリーチさせる必要があります。
つまり、ターゲットを適切に設定できるか否かが成果を決めるでしょう。
自社が採用したい人材像を「必須の要件(必ず満たしてほしい要件)」「希望する要件(満たしていると嬉しい要件)」「不要な要件(とくにこだわらない要件)」の3つの切り口で棚卸しすることがおすすめです。
実際に活躍している人材の特徴や現場の意見を参考にするとよいでしょう。
デザインスキルが求められる
Instagram広告の2つ目のデメリットは、デザインスキルが求められることです。
Instagramには多くの投稿があり、ありきたりなものでは興味を引くことはできません。
特にInstagramは視覚的に楽しまれるSNSで、興味がなければすぐにスワイプやスキップされてしまいます。
そのため、一瞬でインパクトを与えるような広告を出す必要があり、効果的なデザイン選定やキャッチコピーが必要になるでしょう。
もちろん、人によって興味を持つ対象はさまざまです。
奇をてらう必要はなく「自社が採用したいターゲットが興味を引きそうなこと」を考えるのが大切でしょう。
イメージがわかない場合は、他社の広告や投稿が参考になります。
また、内容には十分注意しましょう。
SNSでは、炎上などのトラブルが起きてしまい、企業のマイナスイメージにつながる可能性もあります。
メッセージはもちろんデザインや内容など、不適切な表現や誤解を招く情報がないか必ず確認することが大切です。
人材採用に活用できるInstagram広告の種別
Instagram広告はさまざまです。
そのため、利用目的に合わせ正しく選択すると効果が上がるでしょう。
今回は、採用で活用する場合が多い、下記3種類を紹介します。
・静止画広告
・動画広告
・カルーセル広告
静止画広告
静止画広告は、もっとも一般的な方法です。
静止画は、正方形、横長、縦長から選ぶことが可能。
テキストは最大2,200文字まで、ハッシュタグは20個まで付けることができます。
静止画を利用する場合は、インパクトが非常に重要になります。
動画広告
動画広告は、文字通り動画を活用した広告です。
リールでは15秒から60秒、フィードやストーリーズでは120秒までの動画で広告を出すことができます。
音や動きといった静止画では伝えきれない魅力を発信するときに利用するとよいでしょう。
ただし、始めにインパクトを与えられなければ最後まで見てもらえません。
カルーセル広告
カルーセル広告は、2~10件の画像や動画をつなげて表示することができます。
フィードかストーリーズで利用することができ、テキストは最大2,200文字、ハッシュタグは30個まで付けることができます。
静止画1枚、動画1つでは伝えきれない魅力をアピールできるでしょう。
これらの広告以外にも、アンケート広告やリンク広告、コレクション広告、発見タブ広告などがあります。
まとめ
今回は、Instagramを求人媒体として活用する際のメリットやデメリット、さらに効果的な運用のポイントをご紹介しました。
Instagramは、利用しているユーザーが多く、特に10~30代の人材を採用したい場合は効果的なツールです。
ターゲットやコストなどの細かな設定が可能で、一般的な求人媒体と違いコストパフォーマンスの高さや、視覚的なアプローチにより採用ミスマッチを防ぐことにつながることが魅力。
その一方で、拡散力は見込めず、デザインスキルが求められるといったデメリットもあります。
上手に運用するためには、ターゲットを明確にし、その方たちが興味を持つ内容を考えることが非常に重要です。
低コストで始められるInstagram広告、他社の成功事例も参考にしながら、まずは取り組んでみてはいかがでしょうか。