Twitter(ツイッター )は、世界での利用者数が3億人を超える匿名登録制SNSです。
今この瞬間の世界の出来事や話題になっていることを知ったり、情報を共有したりできる、世界中の人々とリアルタイムにつながることのできるサービスです。
日本のユーザー数は約45,000人でとなっており、LINEに次いで利用者が多いSNSです。
そのため、広告においても魅力的なプラットフォームです。
今回は、Twitter広告について徹底解説します。
※オーナーのイーロン・マスク氏の主導で、Twitterは2023年に名称を「X」に改めました。
参考ページ:「Twitter」→「X」で何が変わる? なぜイーロン・マスク氏は「X」にこだわるのか
Twitter広告とは
Twitter広告とは、Twitterのタイムラインや検索結果、おすすめユーザー欄などに表示される広告のことです。Twitter広告は通常のツイートと同じようにいいねやリツイートが行えるため、二次的な拡散が期待できます。
Twitter広告の目的
Twitter広告の目的は以下の4つです。
- フォロワー数の増加
- 特定のツイートのリーチ上昇
- 外部サイトへの誘導
- 二次的な拡散
それぞれの目的を解説していきます。
フォロワー数の増加
Twitter広告では、設定したターゲット層に自動的にツイート(広告)を表示することができます。フォローを行うためには自分のアカウントにたどり着いてもらう必要があります。広告をきっかけに自分のアカウントに気づいてもらうことができるため、フォロワー数の増加が期待できます。
特定のツイートのリーチ上昇
Twitter広告を行うことで、広告のツイートに対してのリーチ数が上がります。
また、広告をきっかけに自分のアカウントに訪問してくれることで、固定ツイートへのリーチ数増加も見込むことができます。そのため、広告配信を行う時には立直数を上げたいアカウントを固定ツイート化しておくことがおすすめです。
外部サイトへの誘導
Twitter広告はURLを貼ることが可能です。
Instagram広告はURLを貼ってもリンクをコピーしないと外部サイトに遷移することができません。しかしTwitter広告では、URLをクリックするだけで外部サイトに遷移することが可能なため外部サイトに誘導を行いやすいです。
二次的な拡散
Twitter広告は、他のツイートと同様にいいねやリツイートを行うことができます。そのため、ユーザーが勝手に二次的な拡散を行ってくれます。
二次拡散以降からは課金が発生しないため、拡散がされればされるほど広告効率が高まります。そのため、他の媒体よりも広告費を抑えることができます。
Twitter広告の特徴
Twitter広告の特徴は以下の2つです。
- 若年層にリーチすることができる
- ターゲティングの精度が高い
- 情報が拡散しやすい
それぞれの特徴を解説していきます。
若年層にリーチすることができる
Twitterの利用ユーザーは10代〜40代の若年層が多く、1番多い世代は20代です。若年層をメインターゲットとした商材の認知拡大をするのであれば、Twitter広告は非常に有効なプロモーション手法になります。
ターゲティングの精度が高い
Twitter広告は、細かくユーザーを絞って広告配信が行えます。
Twitterはフォロワーやツイート内容などにユーザーの趣味や嗜好が明確に表れます。Twitter広告では、そういったユーザーの興味関心をターゲティングする精度が他の媒体と比べても高いためピンポイントなターゲティングが可能です。
Twitter広告の種類
Twitter広告は5つの種類があります。
- プロモ広告
- フォロワー獲得広告
- Twitterテイクオーバー
- Twitterライブ
- Twitter Amplify
引用:Xビジネス「Twitter広告プロダクトのリブランディングのお知らせ」
それぞれについて解説していきます。
プロモ広告
プロモ広告はTwitter広告のメインとなっています。ツイートを広告として配信する形式であり、プロモ広告には「プロモーション」というラベルが下に表示されます。
通常のツイートと同様にリツイートや返信、いいねをつけることができるため二次的拡散が期待できます。
プロモ広告は更に、以下5つのサブカテゴリーに分類を分けることができます。
- 画像広告
- 動画広告
- カルーセル広告
- モーメント広告
- テキスト広告
それぞれについて解説します。
画像広告
画像広告は画像付きのツイートを作成し、そのツイートを広告として配信することです。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
ツイート文字は半角280文字以内、全角140文字以内です。
ファイル形式は PNGとJPEGが推奨されており、BMPとTIFFは使うことができません。
動画広告
動画広告は、ツイートに動画を付け、そのツイートを広告として配信することです。
視覚的に訴えることができるため、ブランド、商品、サービスを動画でリアルに伝えることができます。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
動画広告もツイート文字は半角280文字以内、全角140文字以内です。
動画の長さは最長2分20秒まで対応しており、60秒未満の場合はループ再生が行われるようになっています。
ファイル形式はMP4またはMOVが推奨されています。
カルーセル広告
カルーセル広告では、2つ以上の画像か動画を組み合わせて広告を行う方法です。
複数の商品やプロモーションを紹介したり、複数のビジュアルで商品の魅力をアピールすることができます。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
水平方向にスワイプすることで最大6つの画像や動画を使用することができます。
モーメント広告
モーメント広告では、画像付きのウェブサイトカードを作成し、本文にウェブサイトカードを付帯させて広告する方法です。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
ツイート内のリンクをより多くの人にクリックしてもらいたい場合に有効な広告です。見栄えが下記の様に変わります。
▼ウェブサイトへのリンクをそのまま記載したツイート
引用:Xビジネス「ウェブサイトカードを活用しましょう」
▼ウェブサイトカードを活用したツイート
引用:Xビジネス「ウェブサイトカードを活用しましょう」
ウェブサイトカードを使用した方が、ツイートが華やかにみえますよね。
視覚効果により、ウェブサイトへのリンクをそのまま記載するよりも、クリック率が上がるという調査結果がでています。
テキスト広告
テキスト広告は、ツイート文字を半角280文字以内、全角140文字以内で作成し、文字のみで広告する方法です。
プロモ広告の中で一番簡単であり、シンプルかつ自然にTwitterの他のコンテンツに溶け込むことができます。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
フォロワー獲得広告
フォロワー獲得広告は、広告主のアカウントをフォローしていないユーザーに対してアカウントをプロモーションし、認知度を高めたり新しいフォロワーを獲得したりするために活用する広告です。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
関連性が高いと判断されたユーザーには、そのユーザーのタイムライン、検索結果などのさまざまな場所に広告が表示されます。フォローボタンがタイムライン、検索結果上に表示されるため、アカウントのプロフィールページに行かなくてもフォローしてもらうことができることがメリットです。
Twitterテイクオーバー
Twitterテイクオーバーは、タイムラインや「話題を検索」タブの上部に広告を独占的に表示する広告です。多くのリーチやTwitter上での話題化が見込める手法です。
Twitterテイクオーバーには、タイムラインテイクオーバーとトレンドテイクオーバー/トレンドテイクオーバープラスという2種類があります。
タイムラインテイクオーバーは、ブランド広告をユーザーが見る1日の最初の広告として、タイムラインの1番上に表示する方法です。
世界で今何が起きているかを知るためにTwitterにアクセスした利用者がその日最初に見るため、印象に残りやすいことが特徴です。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
トレンドテイクオーバーとトレンドテイクオーバープラスは、トレンドに連動して「話題を検索」タブに広告を表示する方法です。
引用:Xビジネス「Twitter広告のフォーマット」
トレンドテイクオーバーとトレンドテイクオーバープラスの違いは動画クリエイティブ要素があるかどうかのみです。
飲食やアパレルなど視覚的効果を演出した方がユーザーの想像を掻き立てやすい業界はトレンドテイクオーバープラスを選択することがおすすめです。
Twitterライブ
Twitterライブは、ライブ放送を世界に向けて配信し、リアルタイムでオーディエンスとやり取りをおこなう方法です。
Twitterライブを使用し商品の立ち上げや会議、ファッションショーの視聴などさまざまなシーンを共有することができます。その結果、ユーザーとのコミュニケーションが促進されたり、商品の裏側を知ることで商品に対するファンの獲得が行いやすい手法となっています。
Twitter Amplify
Twitter Amplifyは、自社の広告を大手メディアなどのパブリッシャー系アカウントの動画コンテンツと連動させる方法です。
パブリッシャー系アカウント動画コンテンツの再生開始前に、プレロール動画として広告を配信することができます。
AmplifyプログラムはAmplifyスポンサーシップとAmplifyプレロールの2種類にわかれています。
Amplifyスポンサーシップは指定した特定のパートナーと1対1で提携関係を結び、提携先のコンテンツ内に動画広告を配信します。
AmplifyプレロールはTwitterが提携する15以上のカテゴリーの中から動画を配信する先を選ぶことができます。
引用:Xビジネス「Amplifyを拡大: 広告主様のニーズに合わせて進化するTwitterプレロール」
今後さらにカテゴリーを追加していく予定と発表されており、広告主がより細かいカテゴリー選択ができるようにTwitter社は取り組んでいます。
Twitter広告で行えるターゲティング設定14項目
Twitter広告で行えるターゲティング設定は以下の14項目です。
- 地域ターゲティング
- 言語ターゲティング
- 性別ターゲティング
- 年齢ターゲティング
- 端末ターゲティング
- キーワード
- フォロワーが似ているアカウント
- ツイートにエンゲージメントしたユーザー
- 興味関心
- 映画とTV番組
- イベント
- 会話トピック
- フォロワーターゲティング
- カスタムオーディエンス
それぞれについて解説していきます。
地域ターゲティング
日本の都道府県のほか、世界の都市や州、国などをいくつか組み合わせて、幅広いユーザーから限られたユーザーまで指定することが可能です。
郵便番号等も設定できるようになっていますが、ターゲティング地域を狭めすぎてしまうと届けたいユーザーにリーチしづらくなってしまいます。そのため、設定は基本的に広範囲で選択するのがよいでしょう。
例えば、日本国内向けの広告であれば、47都道府県での指定よりも「東北地方」「近畿地方」などある程度広い範囲での設定がおすすめです。
言語ターゲティング
ユーザーが設定している言語や普段のツイートで利用している言語を指定するターゲティングです。
現在は46言語から設定可能です。
引用:Xビジネス「地域、性別、言語、年齢ターゲティング」
性別ターゲティング
性別を指定するターゲティングです。
年齢ターゲティング
基本的にはプロフィールに入力した誕生日によって判断されます。誕生日が入力されていない場合はフォローしているアカウントや興味関心などのユーザー属性から推測し、特定の年齢層にリーチします。
端末、WiFiターゲティング
OSやデバイス端末の種類などを指定するターゲティングです。端末ターゲティングでは以下の要素からターゲティングが可能です。
- OSのバージョン
- 端末のモデル
- Wi-Fi接続状況
- 携帯電話会社
- 新しい端末
端末、WiFiターゲティングが効果的になるのは、端末やデバイスが限定される商材です。例えば、スマートフォン向けの商材ならPCユーザーに宣伝を行っても効果は得られません。そのため、スマートフォンユーザーにターゲットを絞るターゲティング設定を行います。
キーワード
検索やツイート、反応を示したツイートのキーワードを元に行うターゲティングです。
フォロワーが似ているアカウント
宣伝したい商品やサービスと関連性のあるアカウントを選択すると、そのアカウントをフォローしているフォロワーや興味関心が似ているユーザーに広告が表示される設定です。
ツイートにエンゲージメントしたユーザー
過去ツイートにエンゲージしたユーザーをターゲティングします。
興味関心
ユーザーがTwitter上で興味関心を持ったトピックを元にターゲティングします。25種類の興味関心カテゴリーと、350種類のサブトピックから選択を行えます。選択するカテゴリーは2つ程度に抑え、サブトピックは最終的に10個程度に絞るようにしましょう。
映画とTV番組
Twitterが管理している行動履歴から、映画やテレビ番組に反応した層にリーチする設定です。
イベント
広告キャンペーンの入力を行うときに、そのイベントに関心を持っていたり、参加しているユーザーに対してリーチを行う設定です。
会話トピック
特定の会話に対してツイートやエンゲージメントを行ったユーザーに対して広告表示を行う設定です。
フォロワーターゲティング
アカウントの既存フォロワーを対象にする設定です。
カスタムオーディエンス
既存フォロワーや自社で所有しているリストに対してアプローチするための設定です。
Twitter広告の費用
Twitter広告は、掲載するだけでは費用が発生しません。事前に設定した課金対象となるアクションの発生ごとに支払う形式になっており、ユーザーからアクションがあったものにだけ支払いを行えばいいため費用の無駄がありません。二次的拡散に対しては課金されないため、拡散されるほど費用対効果が高い広告となっています。
入札タイプは以下の3つです。
- 自動入札
- 上限入札単価
- 目標入札単価
それぞれについて解説します。
自動入札
最小限の費用で最大の効果が得られるように予算に応じた最適な入札額が自動的に設定される方法です。
予算の範囲内でできる限り多く広告が掲載されるように入札額が自動で設定されます。
上限入札単価
目的のアクションが達成されるたびに、いくらまで払えるかを設定できる機能です。入札額の上限が決まっているため、成果と費用をより細かく設定したい場合に向いています。
目標入札単価
フォロワーとウェブサイトへの誘導数またはコンバージョンを目的とするキャンペーンで利用できる方法です。
上限入札単価と異なり、1日の平均額が目標値に近づくように調整がされます。
Twitter広告で注意すること
Twitter広告を始める前に、Twitter広告ポリシーは要チェックしておきましょう。
ユーザーメリットを考えて出向していればまず違反することはありませんが、出稿が制限・禁止されているものを把握しておくことは重要です。
本章では出稿が禁止・制限されているカテゴリーを紹介します。
Twitter広告の出稿が制限・禁止されているカテゴリー
- 成人向けの性的なコンテンツ
- アルコール関連のコンテンツ
- 薬物、薬物関連品
- 金融商品・サービス
- 賭博関連のコンテンツ
- ヘイト表現を伴うコンテンツ
- 健康および医薬品に関する商品とサービス
- 不適切なコンテンツ
- マルウェアとソフトウェアのダウンロードに関するポリシー
- 政治に関するコンテンツ
- 18歳未満または未成年者に禁止されているコンテンツ
- 品質
- 国営メディア
- タバコとタバコ用品
- チケットの不正販売
- 禁止されている商行為
- 武器と武器用品
引用:Xビジネス「Twitter広告ポリシー」
広告主がTwitter広告ポリシーに違反した場合、原則としてTwitter広告プラットフォームから排除されます。
ポリシーの違反内容により、事前に違反概要と修正のための手順を記したメッセージが届きますが、重大な違反の場合は事前の通知なしに広告がオフボーディング(排除・差し止め)されます。オフボーディングされた場合、Twitter広告は利用できなくなり、新しい広告用のアカウントを作成することもできないため、注意してください。
Twitter広告の国内事例と効果
本章では実際に、Twitter広告を活用し効果を上げた企業事例を紹介します。
事例①NTTドコモ
NTTドコモはTwitter広告を行い、1年間でフォロワー20万人増、リツイート数は約7倍に急成長しました。
NTTドコモは「お客様との間に距離を感じる」という課題解決をTwitter広告で行っていきました。
NTTドコモはTwitter広告を行う前、製品やサービスに関する情報など、企業が伝えたいことだけを一方的にツイートするだけのアカウントでした。結果、いいねはつくもののリプライやリツイートが少なかったのです。
それを解決するために、Twitter広告でフォロー&リツイートキャンペーンや協賛を行い、ユーザー参加型のツイートに変更していきました。フォロワーの拡大と既存フォロワーの楽しみをうむ広告を実施したことにより、フォロワー数とリツイート数が伸びていきました。
引用:Xマーケティング「1年間でフォロワー20万人増、リツイート数は約7倍!NTTドコモの公式Twitterアカウント急成長の秘訣」
まとめ
Twitter広告は、さまざまな観点からフレキシブルにターゲティング設定を行えることが最大の強みです。Twitterには流行に敏感で、今この瞬間の情報を積極的にキャッチしにきているユーザーが集まっています。そのため、ほかの媒体では狙うことが難しい特定セグメントへのアプローチが可能です。Twitter広告をまだ試したことがないという人は、ぜひこの機会に活用をはじめてみてください。